第49回核燃料取扱主任者試験問題(平成29年)(法規)
1.
(目的)
第一条 この法律は、原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)を推進することによつて、将来における エネルギー資源 を確保し、 学術の進歩 と 産業の振興 とを図り、もつて人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とする。
(基本方針)
第二条 原子力利用は、 平和の目的 に限り、 安全の確保 を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その 成果 を 公開 し、進んで 国際協力 に資するものとする。
2 前項の 安全の確保 については、確立された 国際的な基準 を踏まえ、国民の 健康 及び財産の保護、環境の保全 並びに我が国の 安全保障 に資することを目的として、行うものとする。
2)加工施設における核燃料取扱主任者
(ア) 加工事業者は、核燃料物質の取扱いに関して保安の監督を行わせるため、核燃料取扱主任者免状を有する者であつて、原子力規制委員会規則で定める実務の経験(核燃料物質の取扱いの業務に従事した期間が 三年 以上であること)を有するもののうちから、核燃料取扱主任者を選任しなければならない。
(イ) 核燃料取扱主任者の選任は、 工場又は事業所 ごとに行うものとする。
(ウ) 加工事業者は、核燃料取扱主任者を選任したときは、選任した日から 三十日 以内に、その旨を原子力規制委員会に届け出なければならない。これを 解任 したときも、同様とする。
(エ) 原子力規制委員会は、核燃料取扱主任者免状の交付を受けた者が原子炉等規制法又は同法に基づく命令の規定に違反したときは、その核燃料取扱主任者免状の 返納 を命ずることができる。
(オ) 加工の事業において核燃料物質の取扱いに従事する者は、核燃料取扱主任者がその取扱いに関して 保安のためにする指示 に従わなければならない。
(カ) 原子力規制委員会は、核燃料取扱主任者が原子炉等規制法又は同法に基づく命令の規定に違反したときは、加工事業者に対し、核燃料取扱主任者の 返納を命ずることができる。
3)再処理施設の安全上重要な施設
再処理施設の「安全上重要な施設」とは、安全機能を有する施設のうち、その機能の喪失により、 公衆又は事業者 に放射線障害を及ぼすおそれがあるもの及び 設計基準事故時 に 公衆又は従事者 に及ぼすおそれがある放射線障害を防止するため、放射性物質又は放射線が再処理施設を設置する工場又は事業所外へ放出されることを抑制し、又は防止するものをいう。
2.
原子炉等規制法に基づく再処理施設の定期自主検査
(ア) 使用済燃料の受入れ施設及び貯蔵施設、 再処理設備本体 、製品貯蔵施設、計測制御系統施設、廃棄施設並びに放射線管理施設並びに再処理設備の附属施設で原子力規制委員会規則で定める再処理施設((イ)に規定するものを除く。)は、当該施設の性能が原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合しているかどうかについての検査を ② ごとに行うこと。
(イ) 警報 装置、 非常用動力 装置その他の 非常用 装置については、当該装置の各部分ごとの当該作動のための性能検査を 一月 ごとに、当該装置全体の当該作動のための総合検査を 一年 ごとに行うこと。
(ウ) 再処理施設の保安のために直接関連を有する 計器 及び 放射線計測器 については、 校正 を一年 ごとに行うこと。
(2)
再処理施設に係る施設の使用の停止
原子力規制委員会は、再処理施設の 位置 、 構造 若しくは 設備 が指定の基準に適合していないと認めるとき、再処理施設の性能が再処理施設の性能に係る技術基準に関する規則に適合していないと認めるとき、又は再処理施設の 保全 、再処理設備の操作若しくは使用済燃料、使用済燃料から分離された物若しくはこれらによつて汚染された物の 運搬 、 貯蔵 若しくは廃棄 に関する措置が原子力規制委員会規則の規定に違反していると認めるときは、その再処理事業者に対し、当該再処理施設の使用の停止、 改造 、 修理 又は 移転 、 再処理設備の操作の方法の指定 その他保安のために必要な措置を命ずることができる。
3.核燃料物質の加工の事業に関する規則第 7 条の 3
1) 平常時の放射線業務従事者の線量限度は、等価線量について、次のとおりとする。
ア 眼の水晶体については、1 年間につき 150 ミリシーベルト
イ 皮膚については、1 年間につき 500 ミリシーベルト
ウ 妊娠中である女子の腹部表面については、本人の申し出等により加工事業者が妊娠の事実を知ったときから出産するまでの間につき、 2 ミリシーベルト
2) 平成二十七年八月三十一日に公布した核原料物質又は核燃料物質の製錬の事業に関する規則等の規定に基づく線量限度等を定める告示において、緊急作業に従事する放射線業務従事者の線量限度が一部引き上げられた。新たに定められた緊急作業に係る放射線業務従事者の線量限度は、次のとおりとする。
ア 実効線量については、 100 ミリシーベルト
イ 眼の水晶体の等価線量については、 300 ミリシーベルト
ウ 皮膚の等価線量については、 1 シーベルト
3) 2)に規定する放射線業務従事者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する者でなければならない。
ア 緊急作業時の放射線の生体に与える影響及び放射線防護措置について 教育 を受けた上で、緊急作業に従事する意思がある旨を加工事業者に 書面 で申し出た者であること。
イ 緊急作業についての 訓練 を受けた者であること。
ウ 原子力規制委員会が定める場合にあっては、原子力災害対策特別措置法(平成十一年法律第百五十六号)に規定する 原子力防災要員 、原子力防災管理者又は副原子力防災管理者であること。
2)
加工施設の性能に係る技術基準に関する規則
(ア) 安全機能を有する施設は、 通常時 及び 設計基準事故時 に想定される全ての環境条件において、その安全機能を発揮することができるように設置されていなければならない。
(イ) 安全機能を有する施設は、当該施設の安全機能を確認するための 検査 又は 試験 及び当該安全機能を健全に維持するための 保守 又は 修理 ができるように設置されていなければならない。
(ウ) 安全機能を有する施設に属する設備であって、クレーンその他の機器又は配管の損傷に伴う飛散物により損傷を受け、加工施設の 安全性 を損なうことが想定されるものは、 防護措置 その他の適切な措置が講じられたものでなければならない。
(エ) 安全機能を有する施設は、他の原子力施設と 共用 し、又は安全機能を有する施設に属する設備を一の加工施設において 共用 する場合には、加工施設の 安全性 が損なわれないように設置されていなければならない。
4.廃棄物管理事業者
一 関係法令 及び保安規定の遵守のための体制( 経営責任者 の関与を含む。)に関すること。
二 安全文化 を醸成するための体制( 経営責任者 の関与を含む。)に関すること。
三 廃棄物管理施設の品質保証に関すること(根本原因分析の方法及びこれを実施するための体制並びに 作業手順書 等の保安規定上の位置付けに関することを含む。)。
四 廃棄物管理施設の操作及び管理を行う者の 職務 及び組織に関すること(次号に掲げるものを除く。)。
五 廃棄物取扱主任者の 職務 の 範囲 及びその内容並びに廃棄物取扱主任者が保安の監督を行う上で必要となる 権限 及び組織上の位置付けに関すること。
六 廃棄物管理施設の放射線業務事業者に対する保安教育に関することであつて次に掲げるもの
イ 保安教育の実施方針(実施計画の策定を含む。)に関すること。
ロ 保安教育の内容に関することであつて次に掲げるもの
(1) 関連法令 及び保安規定の遵守に関すること。
(2) 廃棄物管理施設の構造、 性能 及び操作に関すること。
(3) 放射線管理に関すること。
(4) 核燃料物質及び核燃料物質によつて汚染された物の取扱いに関すること。
(5) 非常の場合に採るべき処置に関すること。
ハ その他廃棄物管理施設に係る保安教育に関し必要な事項
七 保安上特に管理を必要とする設備の操作に関すること。
八 管理区域及び周辺監視区域の 設定 並びにこれらの区域に係る 立入制限 等に関すること。
九 排気監視設備及び排水監視設備に関すること。
十 線量、線量当量、放射性物質の 濃度 及び放射性物質によつて汚染された物の表面の放射性物質の 密度 の監視並びに汚染の除去に関すること。
十一 放射線測定器の管理及び放射線測定の 方法 に関すること。
十二 廃棄物管理施設の 巡視 及び点検並びにこれらに伴う処置に関すること。
十三 廃棄物管理施設の施設定期自主検査に関すること。
十四 放射性廃棄物の 受入れ 、 運搬 、廃棄その他の取扱いに関すること。
十五 非常の場合に採るべき処置に関すること。
十六 廃棄物管理施設に係る保安(保安規定の遵守状況を含む。)に関する適正な 記録及び報告(事故故障等の事象及びこれらに準ずるものが発生した場合の 経営責任者 への報告を含む。)に関すること。
十七 廃棄物管理施設の 定期的 な評価に関すること。
十八 保守点検を行つた事業者から得られた保安に関する技術情報についての他の廃棄物管理事業者との 共有に関すること。
十九 不適合 が発生した場合における当該 不適合 に関する情報の公開に関すること。
二十 その他廃棄物管理施設に係る保安に関し必要な事項
5.
原子炉等規制法に基づく加工施設の溶接
(ア) 六ふつ化ウランの加熱容器その他の原子力規制委員会規則で定める加工施設であつて溶接をするものについては、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その溶接につき原子力規制委員会の 検査 を受け、これに 合格 した後でなければ、加工事業者は、これを 使用してはならない。
(イ) (ア)の 検査 を受けようとする者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その溶接の方法について原子力規制委員会の 認可 を受けなければならない。
(ウ) (ア)の 検査 においては、その溶接が次の各号のいずれにも適合しているときは、 合格 とする。
一 (イ)の 認可 を受けた方法に従つて行われていること。
二 原子力規制委員会規則で定める 技術上の基準 に適合するものであること。
2)低比放射性物質及び各輸送物に係る水の吹き付け試験又は浸漬試験の試験条件
① LSA-Ⅲ
常温の水に7日間浸漬させること
② A型輸送物に係る一般の試験条件
五十ミリメートル毎時の雨量に相当する水を一時間吹き付けること
③ B型輸送物に係る一般の試験条件
五十ミリメートル毎時の雨量に相当する水を一時間吹き付けること
④ B型輸送物に係る特別の試験条件
深さ15メートルの水中に八時間浸漬させること
⑤ B型輸送物のうち、原子力規制委員会の定める量を超える放射能を有する核燃料物質等を収納した核燃料輸送物に係る試験条件
深さ二百メートルの水中に一時間浸漬させること
3)
核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の廃棄物管理の事業に関する規則
ア
記録事項: 特定廃棄物管理施設の検査記録のうち、施設定期自主検査の結果
記録すべき場合: 検査の都度
保存期間: 施設定期自主検査終了後 五年が経過するまでの期間
イ
記録事項: 操作記録のうち、警報装置から発せられた警報の内容
記録すべき場合: その都度
保存期間: 一年間
ウ
記録事項: 保安教育の記録のうち、保安教育の実施日時及び項目
記録すべき場合: 実施の都度
保存期間: 三年間
エ
記録事項: 保守記録のうち、廃棄物管理施設の巡視及び点検の状況(廃止措置計画の認可を受けた場合においては、巡視の状況に限る。)並びにその担当者の氏名
記録すべき場合: 毎日一回 。ただし、廃止措置計画の認可を受けた場合にあつては 毎週一回 とする。
4)原子炉等規制法に基づく罰則に関する規定
(ア) 第七十七条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
-②
製錬の事業を行つた者、事業の停止の命令に違反した者、加工の事業を行つた者、試験研究用等原子炉を設置した者
(イ) 第七十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
‐③
(ウ) 第七十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、三百万円以下の罰金に処する。
-①
記録せず、若しくは虚偽の記録をし、又は記録を備えて置かなかつた者、原子力船を港に立ち入らせる、確認を受けないで廃棄物埋設を行つた者、確認を受けないで閉鎖措置を講じた者、届出をしないで核原料物質を使用する、確認を受けないで核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物を廃棄した者、虚偽の届出をして核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物を運搬した者、許可を受けないで国際規制物資を使用した者、国際規制物資の使用の停止の命令に違反した者
① 第十一条、第二十一条、第三十四条、第四十三条の三の二十一、第四十三条の十七、第四十七条、第五十一条の十五又は第五十六条の二の規定に違反して、記録せず、若しくは虚偽の記録をし、又は記録を備えて置かなかつた者
② 第十三条第一項の許可を受けないで加工の事業を行った者
③ 第十二条第六項(第二十二条第六項、第三十七条第六項、第四十三条の三の二十四第六項、第四十三条の二十第六項、第五十条第六項、第五十一条の十八第六項、第五十六条の三第六項又は第六十四条の三第八項において準用する場合を含む。)の規定による立入り、検査若しくは試料の提出を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者
2)
原子炉等規制法第八十一条
一 許可を受けないで加工の事業を行った者、指定を受けないで再処理の事業を行った者等
三億円以下 の罰金刑
二 保安規定の遵守状況について、原子力規制委員会が定期に行う検査に当たって、①事務所又は工場若しくは事業所への立入り、②帳簿、書類その他必要な物件の検査若しくは核原料物質、核燃料物質その他の必要な試料の提出を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述せず、若しくは虚偽の陳述をした者等
百万以下 の罰金刑